また、北亜整形外科に    2011年3月12日
 
 
  怪我をして7年ちょっと、骨頭壊死で入院治療して5年が経って、3年ほど薬は飲んでいません。専門家は骨頭壊死で入院、
 治癒した後には、やっぱり毎年1回は診察して、病院で理学療法をして、2ヶ月間薬を飲んだ方が良いと言います。これは通
 常行われる、しっかりした治療方法です。
 ですが、私の治療効果は良く、骨頭も再建されていて、歩いていても足を引きずったりはしません。見たところ健常者と同じ
 です。普段から私も割りと注意していて数年来ずっとまずまずの調子なのです。なので、ここ数年は北亜整形外科病院に来て
 療養することはありませんでした。
 
  去年の後半、私は自動車の運転を習い始めましたよ。毎日日光浴をして、たくさん動きまわりました。新しい家に引っ越し
 て閑があると夕方にはたびたび川べりを散歩しました。足の調子は前よりずっと良く、脚力も増えて、一度に2キロ半歩いて
 も問題はなくなりました。
  10月には私は上海万博にも行きました。家に帰ってもなんら具合の悪いような事は無かったので、とても楽しくて、もう
 私を病人とは思えなかったんです。でも、もしかしたら疲れすぎるほど歩いたのかも知れません。オートマチック車を運転し
 たのですが、この足にとってはやっぱりいくらかの影響があったのでしょう。春節の前後には買い物をしたり、ご飯を炊いて
 料理や洗濯をして、骨頭のことを気にかけなかったので、とうとう足がすねてしまったのです。この2ヶ月近い間かすかな痛
 みがあって重だるく、具合が良くなかったのです。
 
  半月前私は主治医の付主任に電話をしました。彼は「やっぱり一度来て検査しましょう。こんなに長く来なかったのだし、
 半月ほどは入院して理学療法をして、薬を飲まなければいけません。そうすれば良くなるでしょう。」と言ったのです。
  ああ、入院になっちゃうんだ、でもやっぱりちょっと怖い。以前は艱難辛苦をなめ尽くすような苦労もして、どんな遠くに
 でも行ってお医者様を探したし、怖いものなど何も無かったけど、今はそうじゃないんです。
 自分の病院で薬を処方して飲んだり、病院にある理学療法メニューで治療すれば良いんじゃないかな?迷って決められないで
 いたら、親しい友人の任さんが私に電話をくれて、入院して検査した方が良いと促してくれたのです。おまけに私のつれあい
 も「行きなさい、行ってみなさい」と言ってくれたんです。それで私は上司と電話で話をして、担当の科内の仕事の手配をし
 て、北亜整形外科病院に来ることにしたのです。
 
  一昨日の夕方5時に出発して、杭州市で乗り換えて昨日の朝7時50分に北京南駅に着きました。劉さんが私を出迎えてく
 れて、9時頃にすんなりと「私の家」、私が再び生きることになった場所、北亜整形外科病院に帰って来ました。
  昨日は1日中ちょっと疲れて、もっぱら休んでいました。午後に電気治療をしただけです。今日からちゃんと薬も飲んで、
 足湯や電気、高周波、マッサージなどの理学療法を始めました。午後にはレントゲンも撮りました。放射線科の宋主任は「と
 ても良い。骨頭に問題はなく、経過も良好」と言ってたし、付主任も写真を見て問題ないと言ってくれました。ああ、本当に
 良かった。これで安心しました。1週間か10日入院したら帰っても良いことになったのです。
 
  大腿骨頭壊死という病気を考えると、そそっかしくて不注意だったり、軽く考えて油断するようなことは本当にできないの
 です。普段からゆっくりとしていることこそ良いんですよ。過度に負担をかけることはできません。
 たとえ骨頭が治ったとしても、骨頭の周囲の組織は健常者と同じようにはなれないのです。病気による影響が関わりあったり、
 そういうことが不具合を引き起こすのです。最新の言い方では「関節撞撃総合症注1と言います。
 
    注1:関節」は股関節、「撞撃」はぶつかるとか、ぶつけると言う意味です。「総合症」は症候群の意味です。
       日本語では「股関節インピンジメント症候群」と言います。(femoroacetabular  impingement  syndrome)
       比較的新しい疾患概念です。骨頭と臼蓋との組み合わせが悪く、関節を曲げた時に臼蓋に骨頭がぶつかって、そ
       の縁にある関節唇を損傷してしまいます。関節を屈曲すると痛い、引っかかる感じがするといった場合はこの疾
       患概念に相当する場合があります。
       なので、ここで瀟ねえが言っていることとは少しズレがあるかも知れません。
 
  つまり言い替えれば、病気が治って骨頭が再生しても、疲れていたりすると結局具合が悪くなったりするのです。或いはま
 た一定の年齢になると重だるさや、痛みや不具合などの症状が現れて、どんな良い方法も無いのだと言われます。・・・そう
 でしょうか?そのようにしかならないのでしょうか。
  でも勿論今度再診に来たことで安心はしたんです。私のこの大腿骨頭は健常者と同じようにはなれないけれど、しかし絶対
 に大きな問題は無いんです。また圧潰するなんてことはあり得ません。あぁ、すっきりしました。私の健康快復の状態を見た
 ら他の友人たちに希望が湧くだろうし、彼らにとって参考になる所があるでしょう。
 
 
                                           2011年3月12日 晩